開港記念行事
顕彰者一覧(蘭学英語)
森山多吉郎
もりやま たきちろう(1820~71)
森山多吉郎(名憲直、通称栄之助、号茶山)は、阿蘭陀通詞森山家に生まれる。天保8年(1837)稽古通詞から小通詞末席になった。嘉永元年(1848)密入国したアメリカ人ラナルド・マクドナルドについて本格的に英語を学び、同2年(1849)には小通詞になった。嘉永6年(1853)以降、アメリカのペリーなどが来航した際は通訳を務め、日米和親条約締結の際は首席通訳を務めた。安政元年(1854)大通詞に昇格した。文久元年(1861)遣欧使節に随行、その後、通弁御用頭取、兵庫奉行支配組頭を歴任、東京で死没した。墓は本妙寺(東京都豊島区)にある。
堀達之助
ほり たつのすけ(1824~94)
堀達之助(名達之)は、阿蘭陀通詞中山作三郎の五男として生まれたが、阿蘭陀通詞堀儀左衞門政信の養子になった。若くしてオランダ語や英語に堪能で、嘉永6年(1853)のペリーの来航時には交渉を担当、日米和親条約締結の際にも森山多吉郎とともに尽力した。その後、蕃書調所の教授となり、洋書調所(蕃書調所が改称)からわが国最初の本格的英和辞典『英和対訳袖珍辞書』を刊行した。維新後は開拓使一等訳官になったが退職、長崎に帰郷、後に大阪で死没した。墓は大音寺(鍛冶屋町)の堀家墓地にある。